ブラック企業で働いた私が考えたブラック企業を減らす方法

以前、ドン・キホーテが違法な残業をさせていたとして、労働基準法違反の疑いで書類送検されました。靴のABCマートも摘発を受けたことがあります。
度重なる小売業の違法な残業です。

牛丼チェーン「すき家」、居酒屋のワタミなどの外食産業も長時間労働、サービス残業などの問題で度々報道されています。

このように、誰もが知っている大企業が数多く摘発を受け、処分を受けたり消費者からの批判を浴びたりしているにも拘わらず、ブラック企業が根絶されないのはなぜでしょうか。

ブラック企業って?

そもそも「ブラック企業」と一般的に定義されるのは、”若者を大量に採用し、過重労働・違法労働によって使いつぶし、次々と離職に追い込む成長大企業”のこと(wikipedia)。

つまり問題なのは、主に過重労働です。

例えば、労働契約で決められている時間を超える長時間残業、給与の発生しないサービス残業、法律で決められた最低週一日の休日がとることのできない環境など。
「週7日、朝から明け方まで働く、あるいは24時間働く、そんなことして生きていけますか?」という話です。

そんな奴隷のような生活、誰もしたくありません。だから労働基準法がある。でも、守らないのがブラック企業なのです。

実際に、「すき家」では「回転」と呼ばれる24時間業務があったことが知られています。また、ABCマートドン・キホーテも共に、月100時間以上の残業をさせていました。

ブラック中小企業もたくさん

さらに、報道されるのは日本に星の数ほどある企業のうちの極々少数だということを忘れてはいけません。
中小企業や零細企業は労働基準監督署から摘発されることも希でしょうし、摘発を受けて報道されたとしても大企業のように市民に知られていないため、マイナスの影響は小さく、したがって労働基準法を守ろうというインセンティブが少ないと言えるでしょう。

つまり、小さいブラック企業が数多く存在することが考えられるのです。そして彼らは取り締まりを受けることもなく、従業員を使い捨てにし、社会に存在し続けます。

営業時間を削ってみる

わたしの考える解決法はこうです。

 

「小売店は全部、17時に閉店すればいい。」

 
ドン・キホーテの営業時間を知ってますか?
店舗によってばらつきはありますが、朝から夜中の2時や5時、24時間営業のところもあります。

長時間営業=長時間労働

長時間営業してるから、社員が長時間のシフトで出勤を強いられるのです。だから、残業が増えて、人間らしく働けなくなる。

そもそも、ドン・キホーテが24時間営業する必要があるのか疑わしいです。夜中の3時に花火を買いにいきますか?浮き輪を買いにいきますか?普通の生活サイクルで生きている人であれば、誰も行かないでしょう。

営業している限り、夜中の需要もあるかもしれませんが、その需要は本当は夜中である必要はないのです。多くの人は必要なものがあるなら、あらかじめ店の営業時間を調べて行くものです。本当にそこでしか買うことができなくて、どうしても欲しいものがあるなら、時間を作って昼間に行きますよね?

だから、深夜や真夜中まで小売店が営業する必要なんてないのです。

それなのに、小売店が長時間営業するのは、企業が少しでも多くの利益を追求するからです。
利益を追求すること自体はもちろん悪くないけれど、それによって従業員にどのような影響がでるのか考慮すべきです。

17時閉店なら

営業時間を短縮し、仮に17時で閉店であれば、朝9時から働いていたとしても、ばっちり8時間労働を守ることができます。

昼休憩が一時間あるとすると、17時に閉店後、品だしや売場づくりまですることができ、18時に退勤することができます。

小売店は早番遅番などのシフト制を前提としているでしょうが、正社員だからという理由で正規雇用の従業員が朝から通して出勤することがよくあります。
その場合でも、17時閉店なら全然問題ないのです。

こんなに営業しているのは日本だけ

こんなに多くの小売店が夜遅くまで、ましてや深夜や明朝まで営業しているのは日本くらいだと思います。

日本を出て外国に旅行したら夕方18時くらいでも全然お店がやってないとか、「あれ、もう閉店なの?」なんてことザラにあります。

みんな夕方に閉店して、店の従業員やオーナーも家族と夕食を楽しんでいるのです。

確かに夜遅くまで営業している方が便利ではあるかもしれないけど、「本当に必要なの?」と疑問に思います。

 

どっちが幸せな社会か

どちらの方が、全員が幸せな社会だと思いますか。

  • 「消費者としてほんの少ーし便利だけど、たくさんの人が長時間労働や違法労働の犠牲になっている社会」
  • 「店は17時に閉店するから少ーし急いで買い物に行かないといけないけど、店で働く人も含めてたくさんの人が家族とあったかい夕食を食べられる社会」

便利さを追求すると、犠牲にしているものがあります。
ブラック企業で懸命に働きながら苦しんでいる人を減らすためにも、多くの人に考えてほしいです。

そして、営業時間が今後多くの小売店、飲食店で短縮されていくといいなと思います。

追記:2017年11月

最近では、ロイヤルホストが夜間営業を一切やめるなど、少しずつ営業時間短縮への流れができてきました。
不要な営業はいっそやめてしまい、お店も効率よく、働く人も快適に働ける会社が少しでも増えることを願っています。

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