専業主婦になると決めたわけではないけれど、結婚して会社を退職した。
転職を考えているけれど、とりあえずまず会社を退職した。
そんなケースって多いのではないでしょうか。
特に独身よりも、結婚していて「とりあえず退職」した時に考えるのが、「扶養に入る」ということだと思います。
今回は、この「扶養に入る」ということについて、その中身の整理ややり方を見ていきます!
目次
社会保険ってそもそも何のこと?
社会保険とは、具体的に年金と健康保険のことです。
会社員を普通にしていると、年金としては厚生年金が、健康保険は会社によって加入しているところの健康保険があり、それぞれ給料から天引きされています。
月々の手取り額が社会保険の控除により大幅に減っていてるのはそのため。
でも、それによって健康保険証を交付されて、医療機関に行ったときに3割り負担で済みます。
年金の種類は、国民年金、厚生年金とありますが、会社員の場合は厚生年金、自営業やフリーランスの場合は国民年金に加入するようになっています。
サラリーマンをやめて会社を退職すると、年金と健康保険をどうするのか考える必要があります。
独身の場合は、
- 健康保険の任意継続(これまでの会社の保険証を使い、任意で自己負担し続けることで保持)
- 国民年金への加入
という選択肢になります。
もちろん、転職の場合で退職日の次の日から新しい職場で働き始める場合は、そのままこれまでと同様厚生年金と健康保険を新しい会社で継続することになります。
(健康保険の種類は会社によって違うので、その点は変更があります。)
じゃあ、既婚で配偶者がいる場合どうなるのかというと、上記の①、②の選択肢に加えて、配偶者の扶養に入るというオプションが登場します。
この「配偶者の扶養に入る」ことは健康保険も、年金も両方において選択できるオプションです。
扶養に入るのはお得なのか
健康保険を任意継続をするのか、年金を国民年金にするのか、扶養に入るのか、判断するときにおそらく多くの人が考えるのが、「どれがお得か?」ということですよね!
本当にここは重要なところで、一言でいうと「扶養に入る方がずっとお得」と言えます。
ただし、扶養に入るには条件が細かく決まっているので、それもあとでまとめていきます。
健康保険
健康保険について考えたとき、任意機継続にしろ国民健康保険にしろ、結構な出費になることが予想されます。
保険料の負担額については、その人の所得によっても違ってきますが、多くの場合月々数万円はかかってくると思います。
その点、扶養に入れば負担額は一切ありません!
さらにびっくりするのが、夫の負担額も変わらないということ。
もう一人、保険に入っていることにするんだから、多少は払う側の負担額が上がるのかな?と思いきや、扶養している人がいようと、いまいと金額は変わらないんです。
年金
年金についても、国民年金は加入すると払込用紙が大量に送付されてきて、それでまとめて納めるか月々納めるかという形なのですが、やっぱりこれも月に数万円。
まとめて払うとすると少しは安くなりますが、かなりまとまった額を負担しなければならないことに変わりはありません・・・。
配偶者として扶養に入る場合、「国民年金第3号被保険者」という分類になります。
こちらもまた、この分類になると月々に納めなくてはいけない金額が発生しません!
そして夫側の負担額が増えるわけでもなく、これまで通りの額を支払えばOKなんです。
それでも、年金を受給する年齢になったら、二人分もらえるのだからこの制度はすごい。
扶養ってやっぱりお得
「扶養に入る」ってお得なんだな~と思ってしまいますよね。
ただ、この制度はやはり少しお得すぎるということで、昨今は働く女性が増えたこともあり、改正の必要があるという意見も出てきています。
じゃあ実際改正されるのか?第3号被保険者はなくなるのか?というと、いいのか悪いのか、そんなにすぐに物事が動く気配はなさそうです。
個人的には、こういったいわゆる「専業主婦」を守る制度があると、「やっぱり専業主婦のがお得だし、中途半端に働くと年金や保険にお金がかかるからパートで十分」という風潮を助長している気もしますが。
扶養に入る条件
さて、会社も退職したし、扶養に入る手続きをしよう!と思ったら、まず気を付けないといけないのが「扶養に入る条件」です。
まずは収入ですが、収入は130万円以下(月額108,333円)と規定されています。
でも、「今までOLしてた分で既に超えてる!?」と不安になる必要はありません。
この収入は、退職後一年間で予想される収入なので、これまで会社員時代にいくら稼いだかは問題にはならないのです。
健康保険の公式ページにも「退職したことにより収入要件を満たす場合『退職証明書または雇用保険被保険者離職票の写し』が必要」と書いてあります。
ただ、この「今後見込まれる収入がない」ということを証明するためには、退職した会社からもらう「離職票」が重要になってくるので、必ず受けとってから手続きをしましょう♩
ちなみに、離職票は退職日(最終出勤日ではなく、籍も完全になくなる日)から2週間ほど経ってもらうことができます。
失業手当を受給する間は扶養に入れる?
さて、退職したらもらえる手当といったら、失業手当ですよね。
以前このサイトでも再就職手当について書いたことがありますが、失業手当は自己都合で退職した場合、通常3カ月間の「待機期間」を経て支給されます。
じゃあ、その失業手当の支給中(支給が始まって以降)は扶養に入ったままでいられるのか?というと、実は大体の場合ダメなんです。
というのも、さきほど挙げた収入の条件に、失業手当や出産手当などの手当も対象として含まれるからです。
具体的には、基本手当(3,612円以上)の失業手当の支給が始まった場合は、扶養削除の届出が必要となるそうです。
もちろん、雇用保険の待機期間中は収入がありませんから、扶養に入ることができます。
扶養に入る手続き
最後に「扶養に入る」手続きについて少しだけ触れたいと思います。
役所系の手続きってなんだか面倒くさそう、というイメージがあるかもしれませんが、
配偶者の扶養に入るってとてもよくあるケースなので、年金と健康保険両方の扶養に入る手続きが用紙に書くだけでOKなんです。
用紙をこちらからダウンロード
して、必要事項を書いて、夫の会社に出すだけ!
健康保険と年金がほぼ同じようなフォーマットでできるのも簡単でいいですね!
最後に一点だけ注意事項なのですが、結婚していて配偶者がいても退職しただけでは、自動的に扶養に入れるわけではありません。
そのままの状態では、ただの滞納している人になってしまいますので、ご主人の扶養に入るつもりなのであれば、健康保険、年金ともにその手続きを確実に行いましょう♩
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